2011 夢 その３

[高卒社会人]
退院したやる夫は、働いて一人暮らしをする事を決意するお。
親のツテで、小さな広告代理店で働かせてもらえることになったお。

生まれて始めてここでまともにパソコンを触ることになるお。

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／─　　 ─＼
　　　　 ／　（●） 　(●）.＼　む、難しいお…。
　　　／　　 　 （__人__）　　 ＼
　 　 |　　 　　　｀ ⌒´　　　　 |
　　　＼　　　 　　　　　　　 ／
　　　ノ　　　　　　　　　　 　＼
.　／´　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ 　 　 　 　 　 　 　 　 カ
　|　　　　ｌ　　 l||l　从人 l||l 　　　　 l||l 从人 l||l 　 カ　 　タ
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､. 　 　 タ
　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))
　　　┌ ┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
　 ,. - ''"|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ρ￣`ｌ
　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ノ￣￣

当時、ブラインドタッチも出来なかったやる夫は、
始めてパソコンを買うお。
今思うとこれが人生の転機だったお。
ちなみに薄給で手取り１５万いけばいい方ってとこだったお。

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　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー） あー。
.　 　|　　　　 （__人__）　もしかして
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　こっからあの「黒歴史」が
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}　始まるのか？
.　　 ヽ 　 L　　　 　}
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ

　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 　／　─　 　 ─　＼　そうだお。
　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

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[黒の二年間]
パソコンを手に入れたやる夫は
インターネットを始めるお。
その時、是が非でも習得したかったのは
「ブラインドタッチ」だったお。
とはいえ、「特打」とかそういうのはやる気に
はなれず、どうしようかと迷っていた所…コレを見つけたんだお。

　＿_,....,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,_
　　 ＼　　´"￢=ｰ-　,_　　　　　　　　　　　　　　　 /　}　　　　 -､
　　　　` ￢=┐　,..,_　￣＼__　　　　　　　　　　　　|　/　 　 ／／
　　　 　 　 　 }　,′ ￣＼　　〕　　　　　　　　　 　 j /　　／／
　　　　　　　 ,′{__,ﾆ=‐'"_／ﾞVﾞ丁　∧r‐ __￣]YVl |　／／
　　 　 　 __, ﾉ　'ﾞ_　ィ　｢ﾌ /＼|　{/V　 | [／／~'く} {/ ／
　　 __, 厶=ィ　　＼/ ﾑ〈　}-=''!　　/ﾑ. ! ､ く{ 〔〕 j! ∧ﾍ
　 ´￣　　 /! j{ヽ　{{.┌､＼_,ｨ |∧ {/∧∨＼＼ .ｲ ,′Vﾍ,
　　　　　　{{　}!　＼　{　＼｢ |/　 ∨　 ヽ{　　＼_ﾉ j　　∨ﾊ
.　　 　 　 ,ﾘ 〃　　 ￣　　　　　　　　　　　　　　￣　　　∨ﾊ
　　　　　 jl /　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 V∧
.　　 　 　j{/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼l＼
　　　　　j/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼｝
.　　　　 j{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼
「ラグナロクオンライン」

韓国産のMMORPGだお。
単純に「ゲームでチャットしてればそのうち出来るようになるんじゃね？」
という軽い気持ちで始めたんだけど…。

　　　　　　　　 ,.．-‐‐‐--､
　　　　　　　　 |`ｰ-､__,-'´|　　　ビレタ
　　　　　　　／`ｰ===v='´ ＼
　　　 　 　 /　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　|　　　从　　 人　　 .|
　　　　 　 |　　 /,=､l/l/,=､!/　/
　　　　　　.|　　|〈［ｿ` 　［ｿ/ ./
　　　　　　 ヽ　ﾄ､_ 　 ｡'　ノ /
　　　　　　　|　|ｒ‐i　r‐＜　|　　　　　　＋７チェイン
　　　　　　　l／　 |ｰr） ノヽ、
　　　　　　　 〉ｰ-'‐‐'‐' ）　 |　　 　 _r'`‐'´L__
　　　　　　　 |　　＼__‐'l ｰ､l　　　ｒ'　　o　　
　　　　　　　 |___,. -‐'.＼＼|　　／　o 　 o　r'´
　　　　　　　/|__, -‐'´　.|_,. !‐'´　　　　　 __i｀
　　　　　　/　＼___, -‐' (_,.．r‐''''￣￣`'´
　　　　　./　 ,.-‐`､____,ノﾞ　　l
　　　　 ./　　`ｰ '´　/:i　 　　 l
　　　　/ 　　 　 　／,ノ 　 　 　l
　　　./　　　　　'´　　　 　 　 　 |
　　 /　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |
　　l‐‐､_　　　　　　　　　　　　　__|
　　〉‐､_ `ｰ-､____________,.．-‐'´__,..|
　　|､　 `ｰ-､______________,.．-‐'´　 ＼　Ｓ１シューズ
　 .|　`ｰ-‐'´ |　　　　　l､/.r'´　　　　ヽ
　 ヽ､._______ノ　　　　 　 ヽ､__________,ノ
可愛らしい2Dキャラクター

　　　　　　　　　　　　　,.-‐‐‐-､__ｒ‐､!＾V＾'´i＾V!__
　　　　　　　　　　　　 ／: : : : :(⌒,ｒ'ヽ　_,.．-‐‐-､_ V!
　　　　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : ｀`>ヽ／: : : : : : : : :＼⌒l_
　　　　　　　　　　　/: : : : : : : ／（　/: :／l/|: :.∧: : : :ヽ./
　　　　　　　　　　　l: : : : : : :.∧ ｒ' /: :/ｰ__/／ _|/|／ヽlヽ
　　　 　 　 　 　 　 l: : : :r､: :/　l⌒|: :|／）|`　　,=､/／.:|　|
　　　　 　 　 　 　 l: : : :ﾉ　＼_ _＼|.:ﾄ!｀ｰ '　　/ｿy': :__/ :/
　　　　　　　　　　l: :／　　　　.Ｖ＾ﾉ |. 　　　 .冫´!.:（　: :/
　　　　,-‐､　　　/:./　　 ／￣Ｖ/　/＼　`＝' ／_!｀` :/
　　 ／ （　＼　./:.〈､___ノ　（__/ | .〈__／`ｰ ＜ /: : : : :l
　／　　 `ｰ-､V: : ヽ　　ヽ､__/| .V＾ｒ､ .|l　　/ ∧.: : : :l
ｒ'　　　　 　 ／: : : : :〉ｰ-┬'| .|ヽ､/ ﾟl/|.|　（ （　l: : : :|
＼__　　　 /: : : : : :./　　/ ノ　ヽ､____,ノ l　 .V／: : : :|
／　`ｰ-､l: : : : : : /　　./'´　　　　　　 /___ｒ'´: : : : : :|
　　　　r‐|: : : : :./　　　l________,...........ノ /　|: : : : : : : |
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　厂　／ ＼: : l　　　 /　　　　/　　 ./　　　 |: :ﾄ､: : |
　>／　　 　 Ｖl　　　/　　　　.l　　　/＼　 　.l / l: :/
　　　　　　 　 l　　 /　　　　 .l　　 /　　＼　 l/　l/

初心者でも分かりやすいゲームインターフェース
ギルドvsギルドといった複数人での対戦システム

全てが自分にとって新鮮で、
やればやるほど、のめりこんでいったお。

ギルドに入り、仲間と呼べる人も沢山居たお。
この頃はラグナロクの世界＝自分の世界だったお。

そして、自分は
・仕事場
・自宅
・スーパー
の三箇所以外にはまったく出歩かない
半ヒキこもり状態になったんだお。

そして気付いた時には、
自分のキャラはLv99になり、
「廃ガス」「トレイン厨」「Boss厨」とか
2chで叩かれる存在にまでなったお。

GvGでも自分達のギルドは頂点だと思っていたお。

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼　　（ ;;;;(
　　　|　　　 （ ─）（─　　) ;;;;)　しかし、ある時に
　　　|　　　 　 （__人__）　/;;／　　現実に引き戻されたのか。
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　l;;,´
　　　 |　　　　　∩ ノ)━・'
　　／　　　　／ ＿ノ´
　 (.　 ＼ ／　.／ 　 │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　 　 　 　 ／　_ノ　ヽ_＼
.　　　　　／　（ー） 　（ー）＼　そうだお。
　　　 ｌ^l^lｎ　 ⌒（__人__）⌒ ＼
　　 　ヽ 　 L　 　|r┬-|　　　　|
　　　　 ゝ 　ﾉ　　`ー‐'　 　 ／
　　　／ 　 /　　　　　　　　　＼
　 ／　　 /　　　　　　　　　　 　＼
. /　　 　/　　　　　　　　　-一'''''''ー-､.
人＿＿ﾉ　　　　　　　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

そのキッカケは「ギルドマスターの引退」だったお。
ギルド内で話し合われ、
・後続ギルドを作って残る人
・別のギルドに行く人
・ギルドマスターと一緒に辞める人
の三つに分かれたお。

　　　　　 ／￣￣＼　（ ;;;;(
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼) ;;;;)
　　　　|　 （●）（●）/;;／　そして、お前は
　　　　|　　（__人__）l;;,´|　「ギルドマスターと一緒に辞める」
　　　　|　./´ニﾄ━・'　.ｌ　を選んだと。
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /
　 　 __/　　/　　　 ノ__
　　/ /　　/　　　　　　 ｀ヽ.
　 /´　　./　　　　　　　,.　 ヽ.
　 ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　 ヽ
　　 ｜　　　　　 　　　｜/　 /

　 　　　 　　 　＿＿＿_
　　 　 　 　 ／ ＼　　／＼　 ｷﾘｯ
　　 　 　 ／　（ー） 　（ー）＼　そのとーり！だお。
　　　　／　　 ⌒（__人__）⌒ ＼
　　　　|　　 　　　|r┬-|　　　　|
　　　　 ＼　　　　 `ー'´　　 ／
　　　　ノ　　　　　　　　　　 　＼
　 ／´　　　　　　　　　　　　 　　ヽ
　|　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　＼
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､.
　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

元々ギルドマスターに誘われて入ったギルドだったし、
もうやりたいこともやり尽くした感はあったし、
「このままじゃダメだ」とも思っていたし…。

　　　　　　 （⊃￣￣＼
　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　（⊃　　 （ ●）（●）　ちなみにどのぐらいなんだ？
　　　　　|　　　　 （__人__）　そこまでに至る期間は。
　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　 　 　 |　　　　　　 　 } ＼
　　　　 ／ヽ　　　　　　 }　　＼
　　　／ 　　ヽ､＿＿__ノ　　 　 ）
　 ／　　　　　　　　.　 　|　＿／
　|　 　　　　　　　／￣￣（＿)
　 ＼　　　＼　／|　ＪＪＪ　（
　　　＼　　／　　 ／⊂＿）

　　　　　　／￣￣￣＼
　　　γ⌒)　　　　　　(⌒ヽ
　　 ／ _ノ ノ 　　 ＼ 　＼ `､　二年間…だお…。
　 （　 （○）　 （○）　　 | 　）
　　＼　ヽ　（__人__） 　 ／ ／

二年間、ずっと何も考えずラグナロクに没頭していたけど、
辞めたとたん「先」を考えるようになったんだお。
「月収15万なんて、このままじゃいけない」
「どうにかしなきゃ」
「でも何をしたらいい？」
そんな事ばかりぐるぐると頭の中を駆け巡ってたお。

[黒の二年間からの脱却]
そして、あるものを見つけたお。
それは「Perlで掲示板を作ろう！」という初心者向けの
プログラム解説サイトだったお。
右も左も分からなかったけど、書いてあるままに進めていったら
自分でも掲示板が作れたんだお！

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／:::::::::::::::: ＼
　　　　 ／:::::: ─三三─＼　うごいたー！！！
　　　／:::::::: （ ○）三（○） ＼
　 　 |::::::::::::::::::::（__人__）:::: 　 |
　　　＼:::::::::　 　|r┬-| 　 ,／
　　　　　￣￣￣`ー'´　￣
　　　　　　｜ｌ　ｌ　ｌ　ｌ　｜
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿__
　　　 　 ＿＿＿＿＿＿_ 　 　 　 | |　 　 　 　 　 　 　 |
　　　ノ::::::::::::　 　 　 　 　 ＼　 　 | |　 　 　 　 　 　 　 |
.　／:::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　 | |　 　 　 　 　 　 　 |
　|::::::::::::::::: ｌ 　 　 　 　 　 　 　 　 | |　 　 　 　 　 　 　 |

自分には衝撃的だったお。
ロクにとりえもない自分でもこれなら何とかなるんじゃないか？
と思えたお。
そして入門サイトや入門書を買って読んで勉強したりしてみたお。
そしてまた「夢」を見つけたんだお。

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼　　（ ;;;;(
　　　|　　　 （ ─）（─　　) ;;;;)　それが…。
　　　|　　　 　 （__人__）　/;;／
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　l;;,´
　　　 |　　　　　∩ ノ)━・'
　　／　　　　／ ＿ノ´
　 (.　 ＼ ／　.／ 　 │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　＿ _　　 ＿＿＿
　/　) ) )／ ＼　　／＼
　{　 　⊂)（●）　 （●） ＼　「プログラマーで正社員」だお！
　|　　 / ///（__人__）/// ＼
　!　　 !　　 　`Y⌒y'´　　　 |
　|　　 l 　　 　 ﾞー ′　　,／
　|　　　ヽ　　　ー‐ 　 　ｨ
　|　　　　　　　　　　/　 |
　|　　　　　　　　　〆ヽ/
　|　　　 　　　　　ヾ_ノ

「これなら自分でも出来る！」
そう思ったやる夫は仕事は辞めて、
アルバイトしながら、夜間の専門学校に行くことにしたんだお。

[専門学生]
IT系の専門学校だお。
授業内容は今思うと物凄く幼稚なものばかりだったお。
でもプログラムを書いて、思ったとおりに動いてくれると
すごく嬉しかったのを覚えているお！

そして、やる夫は人生で最も勉強した二年間を過ごす事になるお。
「黒の二年間があるやる夫は、すでに二年間も出遅れている事になる」
「資格だ！資格を取ってどうにかその間を埋めよう！」
そう思って在学中に取った資格は以下だお。

・基本情報処理技術者試験　合格
・ソフトウェア開発技術者試験　合格
・【SJC-P】Sun認定Javaプログラマ　合格
・NTTコミュニケーションズ インターネット検定 (.com Master)　シングルスター合格

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ○）（○）　おま、四つも取ったのか！
.　|　　U　 （__人__）　ソフ開まであるし！
　 |　　　　　|r┬-|
.　 |　ι　 　`ー'´}
.　 ヽ　　　　　u 　}
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く　　＼
　　　|　　　　 ＼ 　 ＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)､

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（ ●） 　（●）＼　ちなみにソフ開に受かったのは
　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　やる夫だけだったらしいお。
　 |　　　　｡｀,⌒ﾟ:j´ 　　 　 |　おかげで卒業式にMVPで表彰されたお。
　 ＼γ⌒/■)' 　　 ＿ ／
　　　(　^ノ￣　　　 　　ヽ

入学した時40人居たクラスメートも、卒業する時は15人になってたっけな…。

そして、努力の甲斐もあってか、
就職活動も難なくこなすことが出来て、
8社から合格通知を受け取る事が出来たお。

悩みに悩んだ末、ある一社に決めたお。
決めては正直「直感」だったお。

「プログラマーで正社員！」
の夢がかなった瞬間だったお。

つづく